「つみたてNISA」がまだなら2023年からでも始めよう

読者の中で、まだ現行NISAを始めていない方がいるかもしれません。その場合、統合NISAを待つか、2023年だけでもつみたてNISAまたは一般NISAを始めるという選択があります。

個人的には、2023年だけでもつみたてNISAは始めた方が良いかと思います。一般NISAのほうが非課税投資金額を増やすことはできますが、非課税期間が5年というのはやはり短いです。元本割れの可能性を減らし、堅実に増やせる可能性が高いのは「つみたてNISA」ですし、2023年で買い付け終了になったとしても、統合NISAのつみたて投資枠で同じ投資信託を積み立てていけば、ドルコスト平均法(定期的に定額購入する方法)・複利運用は継続できます。

統合NISAの投資商品はつみたて投資枠ではつみたてNISAと同じです。成長投資枠では一般NISAとほぼ同じですが、「高レバレッジ投資信託」などの商品は投資対象から除外されます。また、回転売買(金融機関が手数料を取るために何度も売買を繰り返させること)の規制が行われます。

そして、現行NISAの非課税投資枠は「使い切り」で、商品を売っても再利用ができなかったのに対し、統合NISAでは、非課税投資枠の管理が「残高ベース」となったため、商品を売って生涯投資枠に空きが出た場合、その空きを使って非課税で投資できるようになります。

ノートパソコンの画面にはお金が育っているイメージの画像
写真=iStock.com/Igor Kutyaev
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統合NISAで使い勝手が良くなる点を整理

現行NISAから大きく改良されることで、使い勝手が広がります。

●「非課税期間の固定→無期限」の恩恵

これまでは非課税期間が限定されていたことから、一般NISAではロールオーバー(保有商品を翌年の非課税投資枠に移行)した方が良いのかどうかの検討や手続きの手間がありました。

つみたてNISAに関しては、商品を売らずに持ち続けていると20年経過後に商品が課税口座に移されます。移管される際の時価が取得価額と見なされますので、以後は利益に対して税金がかかりますし、課税口座に移されたときに購入時の価格より値下がりしていると税金で損をする可能性があります。非課税期間終了後に暴落が起きたらどうするかといったことも考える必要があります。統合NISAではこういったことを考える必要がなくなり、シンプルな仕様になりました。

また、非課税期間終了前に途中で売ってしまうと、残りの非課税期間を活かせないというルールもあり、非課税期間が余ってもったいないから売れない(売りたくない)という状況でした。統合NISAでは非課税期間が無期限となったことで、住宅購入資金、教育資金、余暇資金などに使いやすくなります。