ロシアがウクライナへ侵攻した2022年2月。直後の3月にウクライナへ赴いた日本人医師がいる。国境なき医師団の一員で救命救急医の門馬秀介さんだ。専門は、ドクターヘリによる病院前救急診療、重度四肢外傷など。戦火の現地でどんな活動をしたのか、また医師としてこれまでどのような気持ちで取り組んできたのか。プレジデントFamily編集部が取材した――。

※本稿は、『医学部進学大百科 2023完全保存版』(プレジデントムック)の一部を再編集したものです。

2022年3月、戦火のウクライナへ赴いた日本人医師

2022年2月、ロシアがウクライナへの侵攻を開始。この原稿を書いている10月下旬の時点で侵攻はやむことなく、戦局を見通すことすら困難な状況が続いている。

侵攻開始から間もない3月、1人の日本人医師が医療支援のために現地へ向かった。「国境なき医師団」から派遣された救命救急医・門馬もんま秀介さんだ。専門は外傷外科、災害医療、ドクターヘリによる病院前救急診療、重度四肢外傷。救急集中治療のスペシャリストとして、これまでに多くの人の命を救ってきた。

「今回は緊急の派遣だったため、当初は活動内容が決まっていませんでした。国境なき医師団は現地のニーズに合わせ、常に必要とされることを行いますが、ロシアとウクライナとの緊張状態により最前線では活動できず、最前線に最も近い都市にて情報収集しました。ウクライナには医師を含めた現地の医療スタッフが残っていて、僕たちは彼らをサポートし医療体制の安定化や、大量傷病者発生時の対応研修などを行いました。もちろん、救命医として患者さんの治療や手術をしたいという気持ちはありましたが、現地のニーズを優先し、医療者のサポートの役割に徹しました」

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