Kポップから学ぶ、日本の音楽の可能性

少なくとも、先ほどの話のように、「対ファン」というところでは、まだまだやれることが残されているように思うのです。例えば今、SNSや動画サイト──InstagramやTikTok、Youtubeといったツールが世界的に機能している現在、Kポップのアイドルたちは、いわゆる自撮りコンテンツに力を入れています。

内容としては、ライヴが終わった後にホテルに帰ってきて、自分で自分を撮ってファンに話しかける、といった内容ですが、これを楽しみにしているファンも多い。いわば、オフショット的なコンテンツとして機能しているわけです。

佐々木敦『増補・決定版 ニッポンの音楽』(扶桑社)
佐々木敦『増補・決定版 ニッポンの音楽』(扶桑社)

つまり、単純に音楽をやるだけではなくて、それと同時に、リアリティ番組みたいなことも自らできてしまう。もちろん、それで疲弊して、やめたり離脱したりということが一方で起こっているため、一概に全肯定はできません。

BTSも活動休止する時に、「Kポップのアイドルは人を成長させないシステムだ」という発言をしていて、光があるところにはやはり闇があるのか、と思うのと同時に、それをアジア発でこれだけ成功しているBTSに言われてしまったら、日本はどうしたらいいんだろう……と思ったりもするのですが。

いずれにせよ、SNSやYouTubeの使い方というのは、日本のエンタメ界隈の人たちももっと考えていけるはずだし、そこに少なからず可能性があることは間違いないと思うのです。つまり、「対ファン」というところで、まだまだやれることが残されているのではないか。

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