「明日、家族で出かけるので学校休みます」。家族の自己都合で子供を欠席させる行為は認められるべきか。現役の小学校の教員・松尾英明さんは「どうしてもその日に休みたい必然的な理由があり、欠席した分の授業は家庭でフォローするという前提であれば許されるでしょう。今の時代、保護者も学校ももっと『休み』に寛容になっていい。教員も年休消化のためにもプライベートでの休みを積極的にとるべき」という――。
挙手をする生徒たち
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「本日、家の都合で学校を休ませていただきます」

学校には児童・生徒の家庭からこうした連絡が入ることがある。「都合」には、家庭内におけるトラブルもあれば、家族で旅行にでかける、というようケースもある。

これに学校はどう対応したらいいのか。現状、「家族で旅行に出かける」といった理由の欠席は学校から歓迎されない。だが、地方に単身赴任の父親がいて、平日しか休みがないから会いに行くとか、土曜に学校側の都合で授業があるけれど試合や外部試験に参加したいとか、やむを得えない理由がある場合もある。それ以外にも、プライベートな事情で休みたいというケースもあるかもしれない。

こうした申し出に対して、現状の学校はネガティブな反応を見せることが多いが、頭ごなしに否定せずに考え直していく必要があるのではないかというのが筆者の考えである。つまり、欠席する側だけでなく、それを受ける学校側、両方の意識改革が必要だと思うのだ。

学校における「欠席」の扱い

学校における欠席には、「病欠」以外に、「事故欠」がある。

例えば、家族で旅行に出かける場合や、土曜日は授業参観で登校日だがクラブチームでの試合がある、塾で大事な模試があるから休む……このような自己都合による欠席が事故欠になる(「自己欠」ではない)。

ちなみに、風邪やンフルエンザ、コロナ感染時で休む場合は、「病欠」ではなく「出席停止」になる。これは欠席とはカウントされない。学級閉鎖の場合も欠席とはならず、近い親族の葬儀などによる「忌引き」も欠席にはならない。