人間、休めば元気になる
世の中には「新婚旅行に行くなら全ての仕事を完璧に片付けてからいけ」という言葉をかける、鬼のような管理職が存在すると聞く。このような人の態度は、職員の出産や育児、介護等のやむを得ない事情に対しても、推して知るべし、である。当然、子供が学校を欠席することに対しても否定的だろう。
一方で、平常の年休消化を促進するために、全ての職員に「通常の平日に必ず年休を取ること」を義務づけているという管理職が存在する学校もある。教師はたいていが真面目なため、放っておくと自分から休まない。そのため事前にどの日に休むかまであらかじめ約束させておくのである。しかも「その日は自分のためにどこかへ遊びに行け」と指示を出す。こんな職場で働いていたら、みんな元気になるに決まっている。
長期の病休者が出るのは、普段から休ませないからである。普段から気軽に休める状況があれば、回復ができる。長期に蓄積してしまったダメージの回復には、長期の時間がかかるのである。
学校も保護者ももっと「休み」に寛容になろう
今は、個別最適化が求められる時代である。授業を直接受けられない場合も、動画などで自ら学ぶことが十分にできる環境にある。タブレットの一人一台配付は、そういう面でも大きな力になる。
今の時代、学校は「休み」ということにもっと寛容になるべきである。保護者も社会も、学校への寛容度を高めていくべきである。社会に出てから真面目すぎて途中で燃え尽きてしまう人間を育てるよりも、人生100年時代を軽やかに明るく生きていける人間を育てていきたい。