日本経済新聞は、世界最大の経済紙だ。発行部数は302万部。米国最大の新聞であり、経済紙でもあるウォール・ストリート・ジャーナルは、209万部にすぎない。「三大紙」に部数は譲るが、経済における存在感は他紙を圧倒する。それは東京・大手町にある本社が、日本経団連会館と隣接するという立地からも、うかがえる。そんな「必読紙」の有効成分を、裏の裏までご説明しよう――。
日経の読者はリッチで専業主婦世帯が多く、国際面への関心が高く、紙面をじっくり読む。アンケート調査からはそんな傾向が浮かび上がった。
「個人年収」では299万円以下の割合は9.2%と全体平均の23.2%を大きく下回った。「共働き」では専業主婦の世帯率が平均より6ポイント以上高かった。なお「結婚率」は68.8%で、平均とほぼ同じだった。
「よく読む紙面」では経済、株式・市況のほか、国際も高かった。全体平均は35.4%で、日経は50.8%だ。一方、地域は平均より約9ポイント低い44.2%、テレビ欄は約15ポイント低い36.3%だった。三紙を比較すると、読売は地域、朝日は「天声人語」や社説に人気があることがわかる。
「どんな時間か」との問いでは「つまらない」「めんどう」との回答は平均並みで、「知的な刺激のある」「仕事や生活に役立つ」との回答が平均以上だった。ただし「ルーチン作業」「業務のため」は平均よりやや多かった。また「退職後の購読」も「やめる」との回答が平均を上回った。