そろそろ職場でもクリスマスが話題になるころだ。話し方コンサルタントの阿隅和美さんは「昔のクリスマスはこうだったという話は若者をうんざりさせます。でも『この人は話が通じる』と慕われる上司は、同じ昔話をしても印象がまったく違う。昔話をした後のひと言が肝心なのです」という――。
クリスマスの話題を関係づくりの雑談にするには?
12月になると、職場でもクリスマスの話題が増えてきます。あなたも若手社員になにげなく「クリスマスはどうするの?」と話を振ることはありませんか。もちろん、お互いの関係性にもよりますが、自分としては軽い雑談のつもりでも、もしかしたら相手はプライベートについて聞かれるなんて煩わしいと思っているかもしれません。
特に最近の若手社員は、プライベートの時間を仕事と切り分けて大事にする傾向にあります。そのため、部下のプライベートに踏み込むとハラスメントになってしまう恐れから、まったく関心を示さないようにしているという声も聞きます。
しかし職場での良好な関係づくりには、ある程度雑談などの日常会話を交わすことが必要です。そして、こうした職場の円滑なコミュニケーションがいざというときに相談しやすい環境など、人材育成や離職率低下にもつながります。そこで、今回は、季節ネタのクリスマスを話題にするときのコミュニケーションの注意点を考えてみましょう。
イマドキの若者がドン引きするクリスマストーク
若手社員がうんざりする原因としてまず挙げられるのが、上司が相手の気持ちを考えず、自分本位でプライベートに踏み込んでしまう場合です。
ありがちなのが、「クリスマスは○○するのが定番」という決め付け発言です。例えば、クリスマスはカップルで過ごすのが定番、予定を入れて出かけるのが当たり前……と勝手に決め付けて話を振ってくるパターンがその一つです。
例)
上司「クリスマスはどうするの?」
若手社員「いえ、別に……」
上司「え、何もないの? そんなことないでしょう? デートの予定ないの?」
上司「クリスマスはどうするの?」
若手社員「いえ、別に……」
上司「え、何もないの? そんなことないでしょう? デートの予定ないの?」
クリスマスをどう過ごすかは個人の自由ですし、そもそも予定があってもなくても、上司に言いたくなければ言う必要もないわけです。このような決め付け発言は、プライベートに踏み込んでくるという印象になりがちです。自分本位は避けて相手の反応を観察しながら会話を進めるのが、嫌な気持ちにさせないコツです。