「相談」には解決、「愚痴」には共感

「相談」と言われると聞き手は、問題解決のスイッチが入り、良かれと思って相手にアドバイスをします。しかし、話し手は頭の中では「愚痴」と認識しているので、そのアドバイスを煙たがります。結果、話し手も聞き手も疲れてしまうのです。あまりに残念すぎるコミュニケーションですよね……。

桑野麻衣『「また会いたい!」と言われる 一流の話し方』(明日香出版社)
桑野麻衣『「また会いたい!」と言われる 一流の話し方』(明日香出版社)

相手が話したい内容が「愚痴」であった場合は、解決よりも「自分の言い分を聞いてほしい」「肯定してほしい」ことがわかります。本来ならそこで「そっか、それはすごく辛かったね。わかるよ……」と共感しながら話を聞くのがベストではあります。ただ、これでは話し手はすっきりするかもしれませんが、聞き手は正直あまり報われない場面だと思いませんか?

せっかく同じ時間を共有するのであれば、相手にも前向きな気持ちを取り戻してもらったり、成長のきっかけにしてもらえたほうが嬉しいですよね。愚痴を上手に聞ける人は共感をしながら、さりげなく解決にも導くことができます。相手の愚痴を聞きながら、そう思った背景や状況を理解しようと適宜質問をします。

「一番嫌な気持ちになったのは何をされた、もしくは言われた時だった?」「きれいな言葉じゃなくて良いから、その時の正直な気持ちを吐き出してみて?」「職場でこのことを話せる人はいる?」

など、寄り添い、理解を深めるための質問や投げかけをしてみてください。すると、本人も本音を吐き出せたり、自分が何に傷ついているのか、何が苦しかったのかを解明しやすくなります。ここでは無理に答えさせたり、誘導するような尋問や詰問にはならないように気をつけてください。アドバイスや指摘をするのではなく、あくまで聞く姿勢に徹します。

時間は命です。愚痴を聞かされる時間が、相手にとってもあなたにとっても意義のあるものになりますように。

・POINT
相手を理解するために、聞く姿勢に徹する
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