「無視」は根本的な解決にはならない

先ほどお伝えした通り、嫌みは相手に不快な思いをさせることが目的であり、わざわざ婉曲的に皮肉交じりに伝えてきます。そのような相手には、質問をすることで「言いたいことははっきりと言ってほしい」と伝えます。本当に明確に伝えたいことがあるのなら、正々堂々と言えるはずなのです。

はっきりと伝える勇気がないので、たいがいそこで口をつぐんでしまうか、歯切れが悪くなるケースを多々見かけます。自分は遠回しな表現で逃げようとしたのに、逃がしてもらえなかったと焦ってしまうのです。

嫌みを言ってくる人は、嫌みを言える相手にしか言ってきません。やはりどこかで相手を見下していたり、見くびっています。こちらの反応次第で何度も繰り返されるのか、二度と嫌みを言われないのかが決まります。無視するだけでは、根本的な解決には繋がりません。こちらが正々堂々とコミュニケーションを取ることで、相手からの見方も変わるはずです。今後あなたのことを見下したり、見くびることはなくなるでしょう。

嫌みは絶対に良くないですが、言いにくいことをお互いのために言い合える関係は大切です。対等な関係で、お互いを尊重し合った上で誠意あるコミュニケーションを心がけてほしいと思います。そんな関係づくりのためにも、相手から嫌みを言われた時には「それってどういう意味ですか?」とあなたから爽やかに聞いてみてくださいね。

・POINT
感情的にならずに、一言で爽やかに聞き返す

「愚痴」か「相談」か、はっきりさせる

職場の人間関係はもちろん、プライベートな友達であっても「どのように愚痴を聞いたら良いのかわからない」とよくご相談いただきます。

勝手にアドバイスするのも嫌がられそうですし、一緒になって愚痴を言うのもリスクがあります。信頼している相手が直接被害にあっているのであれば、寄り添って話が聞けるでしょう。ただ、相手に直接何かがあったわけでもないのに、第三者への愚痴を延々と聞かされる場合は辛いものがあります。

ダイニングルームで話をする二人の女性
写真=iStock.com/itakayuki
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まず、整理しておきたいのが「愚痴」と「相談」は似て非なるものであるということです。「愚痴」は問題の解決よりも、自分を肯定してくれることを求めています。精神的にはすっきりしますが、現状維持の状態となり、本人の成長は見込めません。それに対し、「相談」は問題解決が最優先です。とにかく問題を解決したい気持ちから、相談を持ちかけます。

時には自分の非を認めなくてはならない場面もあります。その場では精神的に負荷がかかりますが、現状打破となり、成長にも繋がるのです。話し手も聞き手もこの違いを理解し、はじめに確認しておく必要があります。その違いを理解していないから、「相談したい」と言っておいて、結局ただの「愚痴」になるケースが多いのです。