宿題をスムーズに終わらせるコツ3
では、どうすればいいのでしょうか?
1.勉強は「朝型」にしてみる
子どもの発達に詳しい児童精神科医の吉川徹先生は、「学校から帰ってきた後はまず休息が必要で、先にゲームをすませてちゃんとおしまいにしてから宿題に取り組む、という流れが合う子どもが結構多い」と言います。
親としては「先に宿題をやってから遊んでほしい」ところですが、それがうまくいかない場合は、勉強は学校に行く前の「朝」にルーティン化してしまうのも手です。
2.始める前に課題は机の上に開いておく
勉強の一番のハードルは「始める」ことです。朝型にする場合、夜寝る前に、机の上に課題の箇所をあらかじめ開いて置いておき、起きたらすぐに始められるように態勢を整えておくのがポイントです。
「めんどくさい」「やる気ない」といった気持ちと葛藤するまでもなく、起きたらすぐに鉛筆を持って始められるように準備しておくと、朝の勉強が習慣化しやすくなります。
3.宿題は先生との「約束」だと伝える
親がいくらガミガミ言ったところでまったく聞く耳を持たない子でも、「宿題は先生との『約束』だよね」「『約束』は守らなきゃね」と伝えると、自主的にやり始めるケースが意外と多いようです。
特に低学年くらいまでは、「将来困らないため」「テストで良い点を取るため」といった理由よりも、先生との「約束」という理由のほうが動機付けとしては効果がありそうです。
勉強好きな子と勉強嫌いな子との違い
ところで、「勉強なんてちっとも面白くない」「勉強は嫌い」といった後ろ向きの言葉ばかりいうようになってしまった子にはどうするといいでしょう。これは、どうやらわが子に限った話ではなさそうです。
東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所の調査によると、勉強嫌いの子どもは、小学校、中学校、高校と年齢が高くなるごとに増えていく実態が明らかになっています。
勉強内容が難しくなるにつれて、「嫌い」派が増えてくるようですが、一度勉強嫌いになってしまった子は、もう勉強が好きにはなれないのでしょうか。勉強が面白いと思える子たちとはいったいどこが違うのでしょう。
「勉強嫌い」が年齢とともに増えていくのは、勉強内容がどんどん難しくなり、わからなくなるからです。わからないことが雪だるま式に増えると、「自分は何がわからないのかがわからない」状態になり、何をどう勉強してよいかわからず、ますます勉強嫌いを加速させてしまいます。それでも「勉強嫌い」の子が渋々勉強するのは、「先生や親に叱られたくない」という外発的な動機からです。
一方、前述の調査によると、勉強嫌いから勉強好きに変化した子は、「知るのが嬉しい」といった自分の好奇心や関心など内発的な動機で勉強している割合が高くなっています。
学校で“調べ学習”をした経験がある子のほうが、勉強好きになるという結果も出ているそうです。
勉強がわからない子に向かって「勉強しなさい」と言うだけでは、「勉強嫌い」は変わらないまま。「知りたい」という内発的な動機を引き出すことが必要なのです。