小林先生は女性に対して、男性と話し合いをするときの3カ条を提案する。

1、テーマをはっきりさせ、話す場を設ける

男性はやみくもに話すのが苦手なため、大事な話を思いついたときにするのは禁物。何について相談したいかを事前に伝え、話し合う時間と場所も決めておくと、しっかり話を聞く態勢をとってくれるはず。

2、話す内容を事前に決め、できるだけ短時間に済ませる

男性は、女性の目的のないだらだらとしたおしゃべりには、頭がついていかないため、話したいことをできるだけコンパクトにまとめて、話が長引くようなら、あらためて別の日に話し合うこと。

3、できるだけ論理的に話を進め、余計なことは話さない

直感や漠然とした不安を口にするのを我慢し、因果関係をはっきりさせながら話すことを心がける。因果関係がわからない場合は「理由はわからないんだけど」と前置きをする。

このような話し方に慣れていないという女性も、得意の言語能力を駆使してポイントを意識して話すようにすれば、難しくはないはず。夫と話すときは、ぜひこの三カ条を実践してみてほしい。

一方男性も、女性の話し方についていけないときも、できるだけ理解するよう耳を傾ける努力を怠らないように。女性にとっては、意味のない会話も親愛の証しだからだ。

とくに、「結局何が言いたいの?」はNGワード。女性は、「自分は愛されていない」→「嫌われている」と存在意義まで脅かされたかのように深く傷ついてしまうからだ。「男性に愛を求めるのは、狩猟採集時代から続く、女性が生き抜くための本能です」と小林先生。

「女性は妊娠してから出産までの期間は、木の実などの採集もできず、自分で食糧をとるのが難しい状況となります。そのため男性に保護されたい願望が高くなり、愛を求めます。その記憶が遺伝子レベルで残っているため、男性が自分に関心を示さなくなることは、生きていくうえでの致命傷となるのです」

結婚十数年。話を聞こうともしない夫に、新婚当初には考えられないくらいイラッときている妻もいるかもしれないが、遺伝子レベルではまだ夫を求めているはず。もう少し、夫も耳を傾けやすい方法で、会話を増やす工夫をしてみてもいいかもしれない。

(小林朋道=教える人)