子供ではなく、学校側が変わっていくしかない
学校側がまずすべきことは、不登校の原因を上記①~③どこにあるのか見極めることである。事例1は①の人間関係の改善で解決し得るし、事例3は担任交代によって②及び③が解消されたからこそ、改善されたのである。これらに当てはまっているのであれば、全力でそこへの対処が望まれる。
一方で、①~③どれにも当てはまらない場合もある。事例2のように子供が自発的に「家で親と一緒にいたい」と願っているような場合、学校が無理に引き剥がそうとすることは逆効果を生む。また、親が命に関わる重い病気にかかっているような場合もあり、そうなれば子供が親と少しでも長く一緒に過ごす時間をとりたいと願うのは当然である。
不登校がこれらが原因である場合、子供や家庭の願いを理解して、家庭を温かく見守るスタンスが求められる。満たされれば学校に来るかもしれない。それにはとても時間がかかるかもしれないが、焦らず、いつでも相談に乗り、来たくなった時にはいつでも受け入れるというポジティブなスタンスを保ち続けることが大切である。
繰り返しになるが、不登校はその時点の子供にとって「最善と思われる選択」である。その選択を無理に変えようとしてもいい結果にはならない。上記で触れたように、子供が学校に行くことが「最善の選択」と認識できるよう、学校側が変わっていくしかない。