年収500万円世帯が
陥りやすい家計の病気

慢性先送り病

症状:面倒くさがりの人がかかりやすい病気。大事なことと思っていても「面倒」「難しそう」とつい先送りしてしまう。

原因:「時間」の大切さに気がついていない。

治療法:1000万円貯めるにしても、貯める期間が20年あれば年50万円貯めれば達成できる。でも先送りして残り5年になってしまうと年200万円も貯めなくてはならなくなる。日本政府のように大事なことを先送りすることが慢性化してしまうと、見直しがどんどん難しくなってしまうので注意したい。

家計の病気も体の病気と同じで早期発見・早期治療が重要だ。もし先送りしているものがあるなら、今すぐ行動に移そう。どうしても面倒で腰が重いなら、アドバイザーを見つけて相談するのも効果的だ。

心配しすぎで症

症状:気が小さく、心配性の人がかかりやすい病気で、貧乏性を併発しやすい。時にあまり根拠のない不安が心を支配し、1円でも安いトイレットペーパーを買うために、遠くの店まで出かけることも。さして効果のない節約方法に時間と労力を費やし、いつもキリキリしている。

原因:前向きな発想ができなくなっている。

治療法:実は貯蓄や収入の多寡はあまり関係なく、1億円の貯蓄を持っていてもかかる人もいる。将来起こるかもしれないいいことよりも、「悪いことが起きたらどうしよう」としか考えない傾向がある。治療法としては、「悪いことが起きたときには、どう対処するのか」を想定することだ。漠然とした不安はただ巨大化していくだけだが、具体的に対処法を思考することで等身大の不安にすることができる。それだけで多くは改善が見られる。

※すべて雑誌掲載当時

(山本信幸=構成 坂本道浩=撮影)