ファミマでアパレルを買う顧客層とは何者か

もちろんコンビニはコンパクトな店内に4000アイテムの商品しか置くことができない業態ですから、ここからさらにアパレル商品を増やすことはできませんし、しないでしょう。にもかかわらず靴下とタオルとTシャツに関してはわざわざファミマに買いに来る顧客層が生まれている。これはひとつのファミマの個性です。

さて、この個性化は2022年のコンビニのキーワードのようです。ちょっと気になる数字があるので紹介しましょう。

【図表1】コンビニ3社の2022年度上半期売上・コロナ禍前との比較
出所=各社の月次売り上げ情報を基に百年コンサルティング作成

図表1はコンビニ各社のコロナ禍前と2022年度上半期の売り上げがどう変化したかという数字です。コロナで落ち込んだコンビニ売り上げもようやく回復傾向を見せ、セブン‐イレブンは3年前との比較で売上高が101%とコロナ前を超えました。ファミマも98%とほぼほぼ回復した数字になっています。

しかし面白いことに各社とも客数は回復していません。セブンとファミマは89%、ローソンにいたっては84%に客数は減っていて、それを客単価の増加で補っていることがわかります。

コンビニでカップ麺を買えない低所得者層の出現

この現象、簡単に言えばコロナ禍の不況と昨今の値上げラッシュで「もうコンビニでは買い物できない」という消費者が10~15%も出てきたという数字なのです。日本の低所得層の人数は拡大しています。

コンビニについては最近ツイッターで「節約しようと思ってカップヌードルを買ったら231円もした」と投稿した人が炎上した事件がありました。投稿者としては値上げラッシュの一事例として注意喚起をしたのだと思われるのですが、もはやコンビニでカップヌードルを買えなくなった層からの強い反発を受けたのです。

低所得層のコンビニ離れを受けて、コンビニ各社の店頭にはプチ贅沢ぜいたくな商品が増加しています。「セブンプレミアム」や「ファミマル」などコンビニ各社のプライベートブランド(PB)商品を見ると、100円前後で買える商品も品揃えしているのですが、どちらかと言うと中流層向けの手に届く贅沢商品の増加が目立ちます。