音読することによって脳が活性化し、記憶しやすくなる
黙読の際には視覚系脳番地がメインで働いています。これが声に出すことによって、視覚系の他に、伝達系と運動系が働き、自分の声を聞くことによって聴覚系も働きます。働く脳番地が多いほど、自家発電的に頭がよくなるのは前述した通り。難しいテキストも、声に出して読むことで頭の中が整理されて、理解できるという経験をした人も多いと思いますが、その現象が起こるのも、音読によって脳全体が活性化したためと考えれば納得がいきます。
また、英単語なども黙読よりも声に出したほうが覚えやすいです。ただ、先ほどもお伝えしたように、視覚系が優位な方は、書きながら声に出して読む、書いたものをじっくり目で追いながら声に出して覚えることを試してみてください。
「読んだ内容を誰かに説明する」と意識するだけでも効果的
音読は複数の脳番地を同時に働かせることができ、記憶の定着にプラスに働くということはすでにお伝えしました。しかし、いつでも音読ができる環境にいるとは限りません。忙しいビジネスパーソンにとって、電車での移動中やカフェでの休憩中は絶好の勉強タイムでしょうが、声を出すのは憚られます。そんなときに活躍するのが伝達系脳番地です。
人の目がある場所で、今読んでいる本の内容を強く記憶に残したいときには、「この後、読んだ内容を別の誰かに説明する」という前提をつくって読んでみましょう。あるいは、「会社に着いたら今読んだ本の内容をパワーポイントでまとめる」としてもかまいません。
こう意識するだけで、伝達系脳番地が脳番地全体の監視役となり、通常時より脳番地がしっかりと働くようになります。そして実際に、電車を降りてから、カフェを出てから、「この本で言いたかったのはこういうこと」「本の感想を伝えるとしたら、こう言おう」などと自分なりの考えをまとめます。
これによって、思考系、理解系の脳番地が働きます。さらに、自宅に着いてから、このときに考えたことをブログに書いたり、ツイッターでつぶやいたりして、そこで文字として書き起こしたものを誰かに話しかけるように声に出して読んでみましょう。
我が家では、息子が学校でその日勉強したことの内容を私に伝えることを習慣にしていましたが、これを始めるようになってから息子の成績が右肩上がりに上昇しはじめました。人に説明できてこそ真に理解したと言えるというのは本当です。