通行人の顔が一瞬写った程度であればセーフ

Q ②はどのような場合でしょうか?

A 被撮影者の顔が特定できる場合でも、写真や動画のメインとして写っているわけではなく、社会生活上受けいれるべき限度を超えるとみなされない場合には、肖像権侵害とはならない可能性があります。

例えば、ロケ動画で通行人の顔が、メインとなるYouTuberの背後に小さく一瞬だけ写り込んでいるような場合であれば、肖像権侵害とされる可能性は低いと言えます。

Q ③はどのような場合でしょうか?

A 写真や動画が拡散される可能性が高い場所、多くの人の目に触れやすい媒体などに公開された場合は、肖像権侵害が認められる可能性が高くなります。

写真や動画はYouTubeだけでなく、TwitterやInstagramなどのSNSでも拡散される可能性が高いので、肖像権侵害とみなされる可能性が高くなります。

動画撮影OKと動画公開OKは同じではない

Q ④はどのような場合でしょうか?

A 撮影や公開について被撮影者の承諾がある場合には、肖像権侵害とはなりませんが、承諾があったか、また、承諾がどの範囲まであったかという点について、当事者の間で意見が食い違うという状況が生じることがあるため、文書などで承諾の内容を明確にしておくことが必要です。

大切なことですが、撮影についての承諾と公開についての承諾とは、別のものです。撮影を承諾しても、公開には承諾していなかったとなると、公開後に肖像権侵害を問われる可能性があります。きちんと説明して、撮影だけでなく、公開に関しても承諾してもらっておかなければなりません。

Q ⑤はどのような場合でしょうか?

A 撮影されることが予測できる場所であるかどうかということが、肖像権侵害が認められる判断基準になることがあります。肖像権がプライバシーの一種と理解されていることと関わります。

写り込みの場合、「その人がその時そこにいた」という情報を含んでいます。テーマパークや昼間の繁華街であれば、「そこにいた」という情報のプライバシー性は低く、「撮影されることが予測できる」と言いやすいのですが、夜のラブホテル街や風俗街などの場合、「そこにいた」という情報のプライバシー性は高く、「撮影されることが予測できる」とは言いにくいでしょう。

まとめ
・撮影する側もされる側も肖像権について知っておくことが大切だ。
・肖像権侵害にならないこともあるが、動画を投稿する時は慎重に。