BMI25くらいのほうが長生きする

日本人で身長160センチ、体重64キロといえば、明らかに太っているといわれそうですが、世界的には太っているというほどでもないのです。

おまけに、じっさいのデータを見ると、過体重の基準すら厳しすぎるらしいのです。

1990年代以来何度も繰り返されている研究では、全体として、少し太っているくらいのほうが長生きするという結果が出ています。

BMIと死亡率の関係を統計解析すると、だいたいいつもBMIが25前後の人の死亡率がいちばん低いのです(注2、図表1)

注2 JAMA. 2013 Jan 2; 309(1): 71–82.

日本人の感覚だと小太りくらいの人が、医学的には最高なのです。

日本の肥満基準は明確なデータに基づいていない

だとすれば、日本の基準のようにBMIが25の人を「やや重い」と分類してしまうのはおかしいですね。

しかし、BMI25がベストだとすれば、少し幅をもたせて23~27くらい、つまり身長160センチなら60~70キロくらいを標準とし、それより重ければ過体重としてもいいはずです。

BMI25とか30を肥満と呼んでいる現行基準は、明確なデータに基づいているわけではないのです。

まとめます。医学的にいえば、日本人は平均的にすごくやせています。

ほとんどの人は世界標準の「肥満」にはあたらず、せいぜい「ちょい太り」までです。

しかも、世界標準の「ちょい太り」でさえおそらく厳しすぎ、むしろ最高に健康的な体重の人まで含めてしまっているかもしれません。

太った体形イメージ
写真=iStock.com/sakai000
小太りくらいのほうが長生きする(※写真はイメージです)