コロナ禍の不安を利用されないために
健康関連商品の悪質な広告が数多く出回っている背景には、コロナ禍における消費者の不安が強いことが関係していると思われる。2021年に実施された健康に関するアンケート(*4)では、「健康に関して何らかの不安があるか」という問いに「ある」と答えたのが59.1%で全体の約6割を占めている。
このような状況で、健康関連商品が次々と発売されることは、市場原理として至極当然のことである。そして、他社よりも自社製品をよく見せようとして、違反広告が萌芽するきっかけとなる。消費者庁から複数指摘を受けている製品群に対しては、広告の内容を信頼しすぎず、少し引いた目線で広告と向き合ってみると、不利益を被るリスクは減らせるだろう。
健康への不安がなくなることや、インターネットから切り離された生活様式へと戻ることは難しいが、ちょっとした知識やリテラシーがあれば、無意味に広告に踊らされずに済むはずである。本稿を読んで、広告規制についてより詳しく知りたいと感じた方は、消費者庁や国民生活センターのHPに消費者向けの注意喚起が掲載されているので、参照してみることをお勧めする。
*4 明治安田生命保険相互会社「健康に関するアンケート調査」