「病気を治す食品」は信用してはいけない

消費者としても、広告に騙されないよう自衛するためのリテラシーを持つことは重要である。ここで、悪質な広告を見極めるための三つのポイントを紹介する。  

まず一つ目が、「病気を治す」「病気を予防する」といった類の広告は、保健機能食品を含むすべての食品において違反広告に当たるため信用してはいけない。例えば「コロナウイルス予防のために」「認知症や老化を予防する成分含有」「糖尿病などの生活習慣病で悩む方に」といった広告は、医薬品的な効能効果に関する表現であり、違反広告に該当する。

二つ目に、ダイエット食品は多くの消費者が求めるジャンルで、違反広告が多いため注意が必要だ。特に気を付けたいのが「誰もが容易に著しい痩身効果が得られるかのような表現」である。これらは、まず違反広告と考えたほうが良く、例えば「痩せたいけれど食事を我慢したくない方に。飲むだけで美ボディへ」「ぽっこりお腹に燃焼成分が効く!」などは違反広告とされ、措置命令も多く出ている表現である。

ダイエットのビフォーアフターのイラストがノートパソコンに映し出されている
写真=iStock.com/Suradech14/Lin Shao-hua
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「個人の感想です」と注釈があっても違反に

三つ目のポイントは、「この食品を飲んだら5kg痩せました」などの体験談と併せて「個人の感想です。効果には個人差があります」という注釈をするケースである。効果があるという体験談を見た消費者は「私にも効果を得られる」と感じてしまうため、「個人の感想です」などの打ち消し表現があっても、体験談から受ける印象はほとんど変わらないとされる。

このため、「個人の感想です」などの注釈があっても、「血圧が下がりました」「お通じが良くなりました」といった効果効能に関する体験談は、違反広告に該当する可能性が高く、措置命令を受けた広告にも散見されている。

最近では、コロナウイルス対策グッズが多々販売されているが、実は2020年度だけでも、除菌関連グッズに対して景品表示法の措置命令が9回も出ている(措置命令全体の半分以上!)。

除菌関連グッズの広告では「首にかけるだけで周囲空間のウイルスを除去」などの表現がよく使われるが、このような効果を示すデータは確認されず、狭い密閉空間での実験データしかないことがほとんどで、風通しのある場所等で使用しても、表示どおりの効果が得られない可能性があるとされている。このような広告を見かけた際には、注意するのが良いだろう。