旧統一教会がアメリカで成功しているビジネスとは

【ひろゆき】旧統一教会の人たちって基本、頭いいじゃないですか。そうすると、無茶をしないで、幸福の科学や公明党のようなポジションを取りにいったほうが長期的にも安定すると思うんですよね。なぜその安定を選ばなかったのかが、よくわからない。

【エイト】集金システムが必要だからかなと思います。つねに韓国から数百億円のノルマが毎年ある以上、普通の中庸な団体にはなりきれずに、かつ信者からお金を集めるシステムがあるので、どうしても反社会性を持ってしまうのかなと。

【ひろゆき】旧統一教会はアメリカでは、海産食品の卸業などの事業がうまくいっていますよね。

【エイト】たしかに、アメリカの統一教会インターナショナル(UCI)傘下のトゥルー・ワールド・フーズは、かなり成功しています。

【ひろゆき】そこまで優秀で、ちゃんと動くスタッフがいるのなら、普通に事業をやれば、それなりにうまくいく気もしますけどね。アメリカで事業を成功させているのに、なぜ日本で事業拡大というまっとうな道を進まなかったのか。

【エイト】その努力より、献金や霊感商法などで信者からお金を集めたほうが、手っ取り早く数百億円稼げるからという理由もあるのかもしれません。

【ひろゆき】たしかに。事業を立ち上げても年200億の利益を出せるのは相当先ですからね。

【エイト】そうですね。数百億円とされる資金は業績の悪い関連企業などの補塡に使われていたようなので、そのシステムがないと成り立たない教団系の企業群が一定数ある。その悪循環から脱することができなかったのかなと。

「日本は韓国に尽くす義務がある」

――旧統一教会の全世界の活動資金の約7割が、日本からの献金だとされています。なぜ日本人は、こんなにカモられてしまうんですか?

【エイト】信者たちは、日本が過去、韓国にひどいことをしたからだ、という思想を刷り込まれているんです。韓鶴子氏も日本を、「人間的に考えればゆるすことのできない民族」エバ国家としてアダム国家である韓国へ「自分を顧みずすべてを惜しみなく与え」るよう何度も言っています。原爆が広島に落ちたことなどを引き合いに出して、悔い改めなければならないと自虐史観的なことを平気で言う。

教団関連のイベントに出席した日本の議員は、それを目の前で聞いているはずなんですけど。韓国語で言っているから、わからないのかな。

【ひろゆき】(笑)

【エイト】ちなみに、「活動資金の約7割」という数字はワシントンポストが書いたんですが、実際はもっと多い印象です。

いずれにせよ、こうしたお金の流れを絶たない限り、信者はずっと疲弊するでしょう。

【ひろゆき】僕は、日本の献金が多いのは、法律による処罰を日本がしないからだと思っていて。

アメリカで組織的に献金をさせたら集団訴訟になったり懲罰的賠償になったりしますよね。組織としてやった以上は、それを返せと賠償金が何百億になる。だから、おそらくアメリカでは大々的にそれができないという理由があると思うんです。

日本にはそうした規制がないので、民事裁判になったとしても、1件の損害賠償が数百万円で終わりですからね。

あと、「先祖を敬わなければならない」という儒教的な概念を持つのは、日本や韓国、中国くらいで、キリスト教の人たちには、先祖を供養するといった概念は基本的にないですからね。そうした土着的な要素が日本に合致したという背景もあるんでしょうね。

【エイト】そうですよね。勉強になります。

【ひろゆき】法律的な部分と文化的な部分がすごくマッチするのが韓国と日本。その上、日本は法律による制限がないので、こんな状況になってしまった。

【エイト】たしかに構造的にそうですね。

【ひろゆき】そういう意味では、日本政府が法律なりで規制をしたら被害者も減るし、教団への献金も減るわけです。だから、早く法的な規制に手をつければいいと思います。

ひろゆき氏。
撮影=松永学
ひろゆき氏。