日本人からいかにお金を集めるか

【ひろゆき】旧統一教会の信徒が個人で韓国に旅行に行って、そこで直接献金するというツアーがありますよね。あれを制限するのは、かなり難しそうですね。

【エイト】あれも結局、日本の教団を通して韓国に献金させると途中で抜かれてしまうから、直接韓国にお金を納めるシステムを考えたようです。

【ひろゆき】そういう理由なんですか。

【エイト】日本の教団は、集めたお金を抜かないと経営が成り立たないという理由もあると思うんですが。中抜きされると韓国への献金額が減ってしまうので、韓国で先祖解怨かいおん式をやって、そこで日本人信徒が直接お金を納めるというしくみを作ったようです。

【ひろゆき】外為法には触れないんですかね?

【エイト】外為法の上限の100万円に抵触しないかたちでやっているはずです。

【ひろゆき】そうなんですね。やっぱり頭いいですね。

【エイト】いかにお金を集めるか知恵を絞って、手練手管でやっていますよね。

信者はもともと優しくていい人が多い

【ひろゆき】教団幹部の中には、旧統一教会の教義はまったく信じていないけれど、お金が儲かるからやっているような、すごく優秀なビジネスマンみたいな人もいるんですか?

【エイト】そういった経済ヤクザ系の人は、あまりいないんじゃないかと。

【ひろゆき】そういう意味で言うと、信者は普通にいい人が多いということなんですかね。

【エイト】最初に勧誘される時に、手相の勉強とかアンケート調査と言われて立ち止まってあげる人たちですからね。家に訪問伝道に来て、追い返さずに話を聞いてあげたりする、もともと優しい人が多いんですよ。

「面倒くさいからいらないです」と言う人は、そもそも勧誘されないので。

【ひろゆき】この従順な人たちを利用してやろうと組織に入って、うまく立ち回って幹部になるような余地は、あまりないんですか?

【エイト】あまりないと思います。でも、冷静に考えたら、これだけお金が集まっている組織だから、そういう人がいてもおかしくないんですけど。

韓鶴子の寵愛を受け教団の実権を握っている男

【ひろゆき】毎年200億、300億円の利益があるんだったら、頭いい人が入り込んで、毎年1億円ずつ引っ張るしくみを作っても不思議じゃないですからね。

【エイト】今、韓国で教団の実権を最も握っている尹煐ユンヨン・世界本部長が、そういうタイプかもしれません。

もともと四男・ムン国進クッチンが経済部門の代表をしていた時のサイバー部門の責任者だった人物です。

サイバー部隊なので、いろいろな情報が入ってきて、不正蓄財しているような教団の幹部を洗いざらい調べて、どんどん追い出したんです。それで自分が代わりに、大規模なサミットでアフリカの要人などを招聘した時に払うお金を抜いたりして、甘い汁を吸っていると言われています。

【ひろゆき】ああ、アフリカに払ったと言って抜いても、わかんないですからね。

【エイト】そうやって教団内で経済的な基盤をどんどん築いてきた人物です。

日本の教団にも尹煐鎬のことを面白く思ってない人は、少なくないでしょう。創始者と何の血のつながりもない若造が、韓鶴子の覚えがよくなって教団の実権を握っているので。実際に韓国の教団の税務上の資格証明書には、尹煐鎬が代表者だと記載されています。

【ひろゆき】へえ。

【エイト】総裁の韓鶴子に寵愛されているので、今は日本の幹部も尹煐鎬に従っているけれど、韓鶴子が亡くなったらどうなるのか。

【ひろゆき】韓鶴子氏は、もう高齢ですよね。

【エイト】今年79歳で糖尿病がひどくて、一人で歩けなかったり、目も片方見えなくなっていると言われています。

旧統一教会の創始者・文鮮明の妻で、現在の教団の総裁を務める韓鶴子氏(=2015年3月3日、韓国・加平)
写真=Sipa USA/時事通信フォト
旧統一教会の創始者・文鮮明の妻で、現在の教団の総裁を務める韓鶴子氏(=2015年3月3日、韓国・加平)