詳細が一切ないのは「検証逃れ」
【エイト】しかも、文書では開催日や会合名を書くようになっていたんですが、今回公表したのは名前だけで、各議員がいつどのイベントに出たのか、詳細が一切ないんです。
【ひろゆき】この公表結果を見て、各議員がどのイベントで何をしたのかをメディアが調べようとしてもできない。
【エイト】そうなんです。たとえば、僕はこれまで、ある議員が旧統一教会系のイベントに出たり、祝電を送っていたとわかれば、必ず質問書を出していたんです。たとえその議員が教団系のイベントと知らずに出席したとしても、僕の質問書を見た時点で、それが統一教会系のイベントだったとわかるわけです。そうしたら、もしそれ以降に同じようなイベントに出たら、旧統一教会系のイベントだと知らなかったとは言えないはずなので。
だから、どの議員がいつどんなイベントに出たかを把握しているかは非常に重要なポイントなんですが、それすらも検証できない。「検証逃れ」と言われても仕方がない。
【ひろゆき】名前が公表された一人ひとりに、「いつ出席したんですか?」と質問書を送って、答えるのを待つしかないんですね。
【エイト】ただ、実際、メディアがぶら下がりとかで質問しても、答えない議員が結構多いそうです。党からの点検にさえ答えれば、それで終わりみたいな。
茂木(敏充)幹事長が、旧統一教会の関連団体の会合に出席した9割近くの党議員が「関連団体であるという認識がなかった」と発言していましたが、「その9割と1割、逆じゃないの?」と突っ込みたくなりますよね。
【ひろゆき】さすがに政治家をやっていて、旧統一教会と関連があるかをまったく知らないというのは考えにくいですよね。生稲(晃子)さんは1割に入れてあげてもいいと思いますけど。
【エイト】おそらく、おニャン子好きのおじさんに会いに行かされた、ぐらいのニュアンスでしょう。
自民党はこれを出してどうする気なのか
【エイト】そもそも、議員に報告を求めた文書の冒頭には、「党として組織的な関係は一切ないことは既に確認済み」と書いてあるので、組織性があることをまず書けないんですよね。
しかも2枚目の質問内容も8項目しかなくて、一番重い質問でも「選挙の支援を受けたか」というレベルです。
秘書を受け入れていたか、教会関連の泊りがけの講習を受けたか、教団に便宜を図ったか、政策に影響を与えてきたかといった肝心な質問は一切ありません。最初から一定の枠を決められていて、これ以上のことは書くなよという前提のもと出された点検結果ですよね。
そもそも自己申告制という時点で、すでに報道されている以上のことは出ないだろうとは想定していたのですが、単に名前だけで、それも一部しか公表していないので、これは点検と言えるのかなと。
【ひろゆき】おそらく、これを見て国民もメディアも、「これなら自民党、大丈夫だよね。この件は終わり」とはならない。逆に、自民党はこれを出してどうする気なんですかね。
【エイト】でも、茂木幹事長は「他党よりも詳細な項目で事実確認した」とやたら自信満々なんです。党改革実行本部がタスクフォースを作って、きちんとチェックする体制を整えて、「今後は一切関係を持たないということを徹底をしていきたい」と言っている。
でも実際は、安倍元首相にも細田(博之)さんにも切り込めないし、安倍派はもう放任状態なんですよね。