「ウクライナと台湾には共通点がある」と、リベラル派ホロス党の副党首であるソブスンは語った。「中国が最も恐れているのはこの点だろう。植民地主義と戦う2つの小国として、ウクライナと台湾は人々の意識の中でつながっている」
台湾は中国の一部であるという「一つの中国」の原則を認めて中国との正式な外交関係を維持している国の行政府にとっては(ウクライナも1992年に正式に国交を結んでいる)、大っぴらに台湾を支持することは難しい。だが立法府なら、もっと自由に行動することができる。
「だからこそ、私たちが動いた。問題を引き起こさないように政府との調整も行った」と、ソブスンは語った。「中国がウクライナを助ける可能性はない。私たちが中国に望むのは、ロシアを助けないことだけだ」
議会のこのような重要な動きを、ゼレンスキーと大統領府が承認したのかどうかは明らかにされていない。
メレシュコはこう説明した。「これは私の決断であり、私がとるリスクだ。大統領府はこのような問題についてかなり慎重になっている。だが、議会外交はもっと率直であってもいいと私は思う」
ロシアに影響力を行使して欲しいという度重なる要請にも関わらず、中国の習近平国家主席は一度もゼレンスキーとの会談に応じていない。この中国の無関心が台湾友好グループ設立の一つの動機になったと、メレシュコは言う。「私たちは3月、住民を避難させるための『人道回廊』の設置について、ロシアとの間を仲介してもらうために范に会おうとしたが、面会を拒否された」「そのとき、中国には何を期待しても無駄だとわかった。彼らにとって、我々など存在しないも同然なのだ」
当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら