また、対面で話す機会がないことで、評価に対する疑問をぶつける機会がなく、不満を持ったまま次の評価時期まで過ごさなければいけなくなります。
評価は直属の上司、その上の立場の上司など2人以上で行うのが理想です。それによって客観性が生まれ、さらに本人自身による自己評価とすり合わせることができれば納得度も高まります。
そして、評価を伝える時は、育成面談を実施するのが望ましいです。評価結果の説明だけでなく、次の期に取り組む課題や役割を明らかにして今後の成長目標を共有することが目的です。
こうした評価の仕組みによって社員のやる気が継続し、会社の求める人材が育成されることで、結果として生産性も向上します。さらに社員のやりがいも収入もアップし、モチベーションを維持できるという好循環が生まれるのです。
「給与の高さ」だけで会社を選んではいけない
採用を行う会社側も、長く働いてくれる人を採りたいのであれば、ビジョンや求める人材像を明確にするべきです。
私のクライアントには採用の際、「10年後になってほしい人材像」を打ち出してもらっています。それを採用媒体に載せたり、面接の際にしっかり伝えたりしていくことで、共にビジョンを目指す社員が入社し、組織のベクトルが同じ方向を向くように変化していきます。
この方法は確かに時間がかかりますが、結果的に会社の成長につながります。人材流出を防ぐために賃上げを急ぐ前にやるべきことがあるのです。