盗撮サイト市場は数百億円規模ともいわれる

共同通信運動部編『アスリート盗撮』(ちくま新書)
共同通信運動部編『アスリート盗撮』(ちくま新書)

警察庁の資料によると、盗撮被害の犯行場所別検挙件数(21年)で最も多いのは「駅構内」で「電車」と二つを合計すると1413件となり、全体の約3割を占める。次いで多いのはショッピングモールなどの商業施設で1036件。専門家の分析では痴漢に比べて、非接触型の盗撮はリスクが低く、手軽なことも増加の背景にあるようだ。

さらに時代の変化で大きくなる盗撮サイト市場は数百億円規模ともいわれる。だがアスリートの性的画像や動画が水面下で実際どのぐらい拡大しているのか詳細なデータはない。前出のネット上の犯罪に詳しい人物は、盗撮に関する営利目的のサイトが増える市場規模について「露出の多いコスプレイベントでのローアングル盗撮やモーターショーのコンパニオン盗撮は比較的規模が大きいとされるが、その他は個人が学校や駅で盗撮した写真を売るというもの。盗撮のマーケットに関して客観的な規模は分からない」と説明した。

一刻も早い法整備の見直しが必要

アスリートの盗撮サイトでは「インターネットサイトを見て興味が湧いた」との証言もあるように、個人の盗撮行為を誘発するケースが少なくない。ただ基本的に個人が各ジャンルで個別に販売しているケースが大半だ。

マニア向けの地下マーケットのため具体的な「市場データ」がないという現実もある。そこがこの問題の難しさでもある。今後は盗撮行為そのものに対する取り締まりだけでなく、一刻も早く盗撮サイトの対策を強化し、現行法では限界があるため法整備を含めた見直しの必要に迫られている。

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