質問[2]は[1]とは異なり、頭の中にアイデアはあるという状態。自分の思考を外に出すには、頭で考えている言語を文章化する。でも、それができないのなら、そのもやもやを具体的な形、つまり絵にするのだ。このとき、直接プロジェクトに関わる絵でなくても、例えば、昨日会った人の顔でも問題ない。言語にプラスアルファを付け加え、イメージングの練習を脳にさせるのだ。

「当たり前」を脱却できない人([3])は、目の前の人を笑わすことから始めよう。爆笑問題の太田光さんは観客が想像もしない意外な答えを披露するが、彼のような人から発想の飛躍の仕方を真似してもいい。また、「ひらめき人間」になる([4])には、北欧家具のイケア店内を一周する。アイデア溢れる商品が多く刺激になる。ニトリでもいい。

決断力が欠如していると、質問[5]のように考えをまとめることができず「堂々巡り」してしまう。そんな人は、ネットショッピングで5万円以上の高額商品をワンクリックで買うのだ。ちょっと勇気がいるが、身銭を切って訓練を積めば、仕事の決断力も鍛えられる。

[6]のように「いいネーミング」やアイデアが思いつかないときは、とにかくたくさんのネーミングを考えてみるといい。目標は101個。どんなにつまらなくても頭の中にとどめておかずに口に出す。恥ずかしがったり、躊躇したりすることをなくすことで、神経回路が回転し始めて脳にひらめきが生まれる。そして、すべて出し切って、もうダメ、もう何もないとなった101個目(102個目かもしれないが)に素晴らしいネーミングが生まれるはずだ。

ある年齢に達すれば[7]のように「物忘れ」が目立つ。だが、実は、私自身はこれはまったく気にしない。例えば、子どもにAKB48のメンバーの名前を何度教えてもらっても覚えられないのは、脳に問題があるというより、AKB48のファンではないからだ。もし、本当に覚えたいものがあれば、対象に興味を持てば覚えられる。どの子が前田敦子なのか、大島優子なのか、自然に区別がつくようになる。

当然、加齢とともに認知力が低下するのは否めない。しかし、その場合にも、毎日30分程度のウオーキングをすれば前頭葉と側頭葉の皮質容量が増える効果が脳科学的に立証されている。年齢を重ねても脳を活性化させることはできるのである。