ここで注意したいのは、新しい情報をスティミュラスにしてしまうことです。
新しいWEBニュースや、はじめて観る映画などは新鮮な情報ですが、「理解する」という脳のコストがかかるため、アイディエーションには不向きです。
アイデアに煮詰まったときに使うスティミュラスは、必ず既知の情報にしましょう。
最初からすべての条件をクリアしようとしない
⑥ 「とりあえず企画会議を始める」→「個別で考えたアイデアを持ち寄る」
「さあ、みんなで新しいプロジェクトを始めよう!」となったときに、とりあえず人が集まるだけでは非効率的です。先述したような発想法で、個人が個別でアイデアを考えてから、案を持ち寄る会議にしましょう。
なお企画会議は、ブレストの大原則「①批判をしない②質より量③奇抜さを重視④便乗する」の4つが大切です。
⑦ 「参考事例を流し読みする」→「参考事例は類型化する」
日々の鍛錬として、参考事例を研究する機会もあると思います。でも、そのときに何となく事例を眺めるだけではもったいないです。似ている事例はカテゴライズしていきましょう。
ヒットしている商品や映像には、必ず共通点があります。
その際に「よく作り込まれている」「インサイトを突いている」といった、抽象的な要素でカテゴライズするのでは後から使える発想の切り口にはなりません。
例えば、「モーメントを捉えている」「対立構造で議論を呼んでいる」などといった、抽象度と具体度のバランスのいい要素を抽出していくのがポイントです。
⑧ 「すべての制約条件を突破しようとする」→「まずは1つの条件の解決に絞る」
どのプロジェクトにも、予算、ターゲット、商品特徴、競合商品、社会的背景、トレンドなど、さまざまな所与の条件があります。そのすべてを満遍なく解決しようとすると、発想ががんじがらめになり面白いアイデアが出なくなります。
そこで、まずは解決すべき課題や、伝えるべきメッセージを1つだけ決め、それを解決できるアイデアを探りましょう。基本となるアイデアのベースが決まった後から、他の条件を追加して整えていけば小さくまとまるのを防げます。
まずは1つの目的の達成を目指して、後からその他の条件をクリアするという順番で考えると、商品の新規性を担保しやすくなります。