次が、無駄を見つけて使用量を最適化する「運用改善」。会議で使う資料の枚数を制限してコピー代を削減したり、人がいない部屋の電気をこまめに消して電気料金を節約したりします。
最後に取り組むべきなのが、設備を新たに投入することによってコストを削減する「設備改善」です。省エネシステムやIP電話の導入などがありますが、短期間で投資が回収できるかがポイントです。
経費の中でも電気料金を中心としたエネルギーコストの削減は、企業が一番手をつけていない分野といえます。
「公共料金は単価が決まっていて下がらない」と誤解されていることが多いのですが、交渉や契約の変更で10%をはるかに超える削減効果が出る場合があります。
電気を例にあげると、大口契約をしていれば「長期契約割引」を検討しましょう。3年契約で3~4%、5年契約で5%の割引が可能なこともあります。一施設では大口とならなくても、一企業や一企業グループで見ると同じ電力会社の管内に多くの施設があれば、協議によって対象となるかもしれません。
このほか、時間帯や季節、曜日によって使用量にばらつきがある場合は、最適な契約プランへの変更で安くなる可能性があります。電気代に占める基本料金の割合が40%を超えている、基本料金が電気使用料金を上回る月がある場合などは、基本料金の引き下げ交渉をしてみてください。
コピー費についても、まず行うべきは「調達改善」です。カラーコピーなら1枚あたり15~40円、モノクロなら2~6円のカウンター料金がかかります。数十銭程度の紙代とは比較になりません。コピー機の販売会社と単価の引き下げ交渉を行いましょう。
その後に「運用改善」です。どのコピー機が使われているか、どんな用途が多いかを調べ、その情報をもとにコピーそのものの枚数を減らします。コピーより、パソコンからプリンターに出力したほうが安い場合もあるのです。