削減分はそのまま純利益となる
実はコスト削減プロジェクトで重要なのは、削減目標と期限を明確にし、「達成することの価値」を従業員にはっきり示すことです。
目標を定めるからには、取り組み前の数値はもちろん、進行中の数値の変化も「見える化」する必要があります。継続的に現状がモニターできないと、成果が見えずモチベーションが続きません。
そして、達成したらどんないいことがあるかを、経営者の強い意志とともに従業員に伝えましょう。コスト削減というと、「不便を強いられる」とネガティブな印象を持つ人が多いものです。
従業員に対して、経営者が「削減できた金額の3分の1を還元しよう」「浮いたお金で従業員を増やし、顧客サービスを充実させよう」と伝え、大幅なコスト削減に成功した例もあります。
モノが売れない時代、売り上げを伸ばすのは大変です。そんな中、コスト削減は売り上げと違ってまずは社内だけの取り組みで実現できます。しかも削減額は「純利益」となるのです。
「100万円のコスト削減」というと一見少ないように思えるかもしれませんが、売上高が1億円の企業なら利益率1%のアップに相当すると考えてみれば、効果の大きさを実感するのではないでしょうか。
※すべて雑誌掲載当時
(構成=大井明子 撮影=向井 渉)