国民皆保険や生活保護制度など日本の社会保障は世界最高レベルにある。しかし、そうした実感をもっているだろうか。中央大学法学部の宮本太郎教授は「日本は払った税金に対して、十分な還元を受けられるという実感が乏しい。国民は政府を信頼しておらず、『自己責任でやるしかない』と感じている。そんな『自助社会』には大きな問題がある」という――。

※本稿は、宮本太郎編著『自助社会を終わらせる』(岩波書店)の一部を再編集したものです。

人間は誰かの支えなくして生きられない

自助社会の成り立ちを考えたいと思います。