IT業界は次のステージへ入りつつある

その結果として、ウェブの世界は大きく変わる。これまでのウェブ2.0の世界ではGAFAなどがITサービスを提供し、そこから得られるデータを事実上タダで手に入れた。それが、ウェブ3.0に急速にシフトしている。個々人や、個々の企業は自らのデータを自分で管理する。それをAIなどを用いて分析し、ブロックチェーンで同期化しつつクラウドで保存して相互に共有する。そうした展開を念頭にグーグルはクラウド事業の成長を急ごうとしているだろう。

ただし、ウェブ3.0に関する取り組みは試行錯誤の段階にある。例えば、ウェブ3.0の構成要素であるメタバースに関して、どのようなデバイスが使われるようになるかははっきりとしない。各社がメガネ型などのデバイスを開発している。ルールの統一、技術規格の収斂はこれから進む。

それを有利に進めるために、アライアンスの重要性が一段と高まるだろう。グーグルは既存分野でのリストラを加速させつつ、クラウドやAI、ブロックチェーンなど分野で他の企業との連携をさらに強化するはずだ。それが世界のIT業界にどのような変革をもたらすかが注目される。

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