腸は「血液の質」をつくる
ところで、そもそも「腸」は何をしている臓器なのでしょうか。
口から取り入れ、胃を通って小腸にたどり着いた食べ物は、小腸で本格的に消化され、栄養として吸収されます。そして、吸収されずに残った栄養分のかすが大腸に到達すると腸内細菌が働いて、便を形成して体外に排出します。
これが、皆さんがよくご存じの「腸の消化・吸収・排泄機能」の流れで、腸が「消化器官」である所以です。
実はこの過程でもうひとつ、腸は「血液の質をつくる」という重要な働きをしています。
小腸内壁の血管から吸収された栄養は、血流にのって肝臓に行き、そこから心臓を経て全身の細胞へ届けられます。私たちの体にとって重要なのは、いかに栄養たっぷりの血液が全身に届くようにできるかです。
そのカギを握るものこそ、「腸」なのです。
自律神経を左右する「血液の質」
腸内環境が悪く腸の蠕動運動が鈍くなると、腸の中に不要な物が溜まり、血流も悪くなります。すると、栄養を吸収する力も衰えて、血液の質が悪くなります。
「質の悪い血液」とは、余分な糖質や脂質、インドール、アンモニア、硫化水素などの毒素を含んだ、ドロドロと汚れた血液を意味しています。こうなると、血液中の赤血球も変形して酸素の運搬もうまくいかず、全身の細胞が栄養不足・酸素不足に陥ってしまうのです。
腸内環境がよくなり、腸の蠕動運動がきちんと働くようになると、栄養をしっかり吸収し、栄養と酸素をたっぷり含んだ「質のよい血液」が全身を巡り始めます。質のよい血液が全身に流れることで、自律神経が整うのです。