森友問題を追及し、送られてきた7通の生命保険加入書類

福島氏はかつて民主党に所属。立憲民主には昔の仲間も多いが、「末期的」などと厳しい言葉を浴びせるのは、身を削るようにしながら政権追及に臨んできた経験と、それに裏打ちされる自負があるからだろう。福島氏が安倍晋三首相から引き出した言葉を覚えている人は多いと思う。

2017年2月17日、衆院予算委員会で、民進党議員だった福島氏は森友学園の土地取引問題をめぐり、安倍首相を追及した。この中で、安倍氏は同学園が新設予定の小学校の名誉校長に妻の昭恵氏が就いていることを「承知している」と説明した上で、「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と述べた。森友学園をめぐる公文書改ざん問題の報告書によると、この答弁を受けて、財務省内で昭恵氏の名前が入った書類の確認が行われ、その後の公文書改ざんにつながった。起点を作った福島氏は「私や妻が……」発言後も、この問題を追及した。

すると異変が起こった。地元・水戸の事務所に頼んでもいない健康サプリメントが届くようになった。自分が申し込んだ覚えのない生命保険の加入書類も7通届いた。誰かが福島氏の名をかたり、生保会社に請求したものとみられ、福島氏は「『命に気をつけろ』という暗示だと思った」と語る。そうした経験をしてもなお、いや、そうした経験をしたからなおさらか、福島氏は「野党は批判ばかり」との指摘を恐れる立憲民主党が歯がゆい。

生命保険申請フォーム
写真=iStock.com/courtneyk
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体を張って政治闘争に挑めない政治家はやめるべき

22年2月22日に朝日新聞デジタルで配信されたインタビュー「提案型野党なんてクソ食らえ」の中でこう語っている。

「政策を提案したいならシンクタンクで働けばいい」
「与党になって自ら掲げる政策を実現するため、政治闘争を挑むのが本筋」
「政権を倒すことを目的にした批判、権力構造の本質を突く批判は体を張ってやらなければならない。野党時代の自民党は、そうだった。『批判ばかり』と言われておじけ付くなら、政治家をやるべきではない。民主政治の危機になる」