人生というのは、何が起こるかわからないものである。実はこの異動こそが、小林喜光にとって大きなターニングポイントとなる。後に小林の経営を支える面々と出会うのもこれがきっかけだった。

三菱ケミカルHD社長 小林喜光 こばやし・よしみつ●1946年、山梨県生まれ。71年東京大学理学系大学院相関理化学修士課程修了。72年へブライ大学物理化学科、73年ピサ大学化学科に留学。74年三菱化成工業(現・三菱化学)入社。96年三菱化学メディア社長、2005年本社常務執行役員などを経て、07年から現職。

その10年後、小林は47歳で、初めて本社勤務を命じられる。情報電子カンパニー記憶材料事業部グループマネジャー(当時は主席)という肩書だった。研究畑一筋できた小林は、当初貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)を読むことができなかったが、独学で勉強して経営に必要なツールを学んでいった。