越智仁は、77年に旧三菱化成工業に入社し、三菱化成発祥の地である福岡県黒崎事業所に配属される。入社直後の担当は、アンモニア課、つまり肥料や無機化学品(以下、無機)を扱う部署だった。

三菱化学常務執行役員 越智 仁 おち・ひとし●1952年、愛媛県生まれ。77年京都大学大学院化学工学研究科卒業。同年三菱化成工業(現・三菱化学)入社。2005年日本化成取締役。07年三菱化学執行役員兼三菱ケミカルHD執行役員。10年三菱ケミカルHD常務執行役員などを経て、11年より現職。

そこで越智は、約20年間、肥料、無機の仕事に従事するが、97年に突然異動を命じられる。まったく畑違いの半導体製造過程の現場、しかも不純物を取り除く高純度の薬品を製造する工場の立ち上げ業務で、場所は、アメリカのテキサス州だった。