自分の強みをわかっている人の成功例

台湾在住の日本人で、かつて自分でつくったアクセサリーを販売していた友人がいます。現地の彫金の学校に通って、委託販売、通信販売、フリーマーケットなどで売っていましたが、収入は多くありませんでした。

私を含めてまわりから「台湾で生きていくなら、大学院に行って日本語教師になる道もある」とすすめられて、40代で実行。中国語、台湾語も話せたため、在学中から、あちこちの大学から引っ張りだこで、卒業後はあっさり大学講師になりました。

ここからが彼女らしいところで、専任講師になってほしいという就職の話がいくつもあったのに、「自由でいたいから」とすべて断って非常勤講師のまま。友だちのカフェでつくっていた和菓子の評判がよかったことから、日本の通信講座で和菓子の技術を本格的に習得しました。

もともとデザインのセンスがあったため、見た目が美しい和菓子が台湾人の心をとらえたのでしょう。やっているうちに力をつけて、大学の夏季休暇中はパリに出店して大好評……と、つくづく自分を生かして、人生を楽しんでいる人だと思います。

彼女はいつも、ちょっと変わった服を着ているけれど、決して不快にはなりません。むしろ「それ、いいね」と称賛されます。自分を押し売りしなくても、人を喜ばせたり、感動させたりすることで結果的に認められていく。そんなところからも「なにが受け入れられて、なにが受け入れられないか」をわかっている人だと理解できます。

まわりに責任を押し付けてしまう人が学ぶべき3カ条

【50歳から客観視ができて花開いていく人の特徴】として次の3つがあります。

1 「自分がどうありたいか」をわかっている
2 自分の「強み」をわかっている
3 まわりの視点に立って“貢献”を繰り返す

とくに3が大事で、「どうしたら喜ばれるのか」と考えているうちに、成長はついてきます。相手が喜ばないときは、修正を加えていけます。

「自分は一生懸命やっているのに」と、まわりに責任を押し付けるのは、客観性がない証拠。50歳からは自分で変化していく力が問われているのです。