「臭くない人=自己管理ができている人」

さらに言えるのは、「臭くない人=自己管理ができている人」だということです。例えば口臭にしても、お酒や食べた物の臭いだけではなく、虫歯や歯周病などが原因となっている場合もあります。さらに体臭や汗の臭いには、胃腸や肝臓系の疾患、糖尿病などが原因となっているケースも考えられます。

「臭くない人」とは、こうした自分の体調管理ができている人のことであると言ってもいいでしょう。もちろんこの自己管理には、「大事な商談がある前夜は、二日酔いになるまで飲まない」という社会人として当たり前の自己節制も含まれます。また今は喫煙者の肩身が狭くなる一方の時代です。

タバコを吸うなとは言いませんが、タバコの臭いをプンプンさせて平気な人は、臭いそのものが迷惑なだけでなく、健康管理を疑問視されてしまう可能性だってあります。そもそも「臭い人」は、奥さんや親しい知人・友人などから、「臭いよ」と指摘されたことがあるはずです。

指摘されて改善しようと努力する人は、その段階ですでに「臭い人」ではありません。問題なのは指摘されても一向に改善しない人なのです。この人は言っても聞かない人、つまり人のアドバイスを素直に聞き入れられないかたくなな人だという印象になってしまいます。

香水を振る男性
写真=iStock.com/Vladdeep
※写真はイメージです

デキる男は見えない部分に気を遣い、見えないものを大事にする

臭いだけでなく、一事が万事、そうやって生きている人だと思われてしまうんです。そういう姿勢の人が、会社の中で他人を差し置いて出世するとは思えません。

また職場で「あの人、何か臭わない?」などといったイメージがつくと、困るのは本人だけではありません。「奥さんはちゃんと洗濯しているのか」「きっと奥さんもだらしのない人に違いない」など、奥さんのイメージも悪くなってしまいます。これだって立派な迷惑行為でしょう。

奥さんにしてみれば、「言っても聞かない」旦那のために、自分まで「ズボラな嫁」のレッテルを貼られてしまうのでは、たまったものではありません(奥さんがイメージどおりの人の場合もありますが)。本人は気にしていなくても、そのことが他の誰か、身近な誰かにマイナスの影響を及ぼしている。それに気づかないようでは、大勢の人の上に立つ資質を疑われても仕方のないところです。

デキる男は、見えない部分に気を遣い、見えないものを大事にし、見えないところで他人に与える影響を考慮し、そして人の助言を聞き入れる素直さを持っているもの。「臭くない人」とは単に「変な臭いのしない人」というだけでなく、周囲への気遣いができるか、目に見えない大人としての最低限の身だしなみに意識を向けられるかという、人としての“生き方”の問題なのです。

臭い人は出世できない

身だしなみの欠如は言うに及ばず。周囲に不快感を与えているということに気づかない鈍感さと、気づいていても改善しないという頑なさは、人の上に立つものとしての資質を疑われてしまいます。