声の大きさは積極性と自信の表れ

そして、これは芸人に限った話ではありません。ビジネスマンにとっても声の大きさ、声の張りというのは、その人自身の存在感に直結する非常に重要なファクターです。

自分の意見を、自分が思っていることを堂々と発言できるか。「自分は今、ここにいます」と自己の存在をアピールできるか。声の大きさとは、その人の自信と積極性と前向きさに比例して表れる身体現象だと思うのです。

また、声が大きい人にはバイタリティに満ちあふれているイメージがあります。そして実際にエネルギッシュな人が多い。体温が高いというか、血が熱いというか、力がみなぎっている感じを周囲に与えてくれます。

欧米の政治家や大物ビジネスマンは発声の訓練をしている

さらにイメージといえば、声が大きい人には、隠し事ができないイメージもあります。私はひそひそ話が大嫌いで、お店でも女の子たちに「小声でひそひそ話すのは絶対にやめてね」と言っているんです。お店の女の子同士がひそひそ話をしているのを見ると、陰口を言われているみたいで気分が悪いというお客様も少なくないんですね。

その点、声の大きい人は、耳のそばに口を寄せてひそひそ――などというマネはできそうにないイメージがあります。あの大きな声では、内緒話などできないだろう。声の大きさを自覚していれば、人に聞かれてまずい話はしないだろうという印象を持たれることも少なくないと思います。

「声が大きい人はバイタリティに満ちていそう、隠し事がなさそう――これは単なるイメージで、必ずそうとは限らないだろう」とおっしゃる方がいるかもしれません。

でもこのイメージがとても大切なのです。欧米では政治家やビジネスのエグゼクティブなどには、みな専門のボイストレーナーがついて、「声や発声の指導」をしています。声の印象によって、その声を発している人の印象が大きく左右されるというのは当たり前の常識として広まっているんですね。

選挙運動中の政治家
写真=iStock.com/microgen
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もちろん、ただ声が大きいだけでは必ずしも好印象を与えられるかどうかはわかりません。でも聞き取れないような小さな声よりも、押しが強いかなと思われても大きくハッキリ聞こえる声のほうが、イメージ的にプラスになるはずです。