※本稿は、伊藤由美『スイスイ出世する人、デキるのに不遇な人 銀座のママが教える「リーダーになる人」28の共通点』(ワニブックスPLUS新書)の一部を再編集したものです。
身だしなみ以上に出世を左右している「臭い」
リーダーになれる人の共通点として「臭くない人」という特徴があります。出世に臭いが関係あるのか――そう驚かれた方もいらっしゃるでしょう。これが大アリなんです。といっても出世する人、しない人が嗅ぎ分けられるわけではありません。「臭いに対する意識」から、その人の本質がうかがえるということなのです。
ビジネスマンのマナーとして常に取り沙汰されるのが「身だしなみ」。清潔感のある身だしなみに気が遣える人は、社内外、オンタイムオフタイム、性別世代などを問わず、周囲からの印象もいいものです。ところが目に見えないものだからでしょうか、服装や持ち物、髪型には注意を払っているのに、臭いには無頓着になるか、つい見逃してしまいがちです。
汗の臭いに足の臭い、口臭や二日酔いによるお酒の臭い、腋臭症(ワキガ)などの疾患による体臭や寄る年波の加齢臭。こうした自分が出している臭いに、自分で気がつかない人は少なくありません。「こればかりは体質だからどうしようもない」「ワキガは病気なのだから仕方ない」という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし問題なのは、自分が臭いかどうかではなく、「臭わない努力をしているか」にあります。それはすなわち、「他人に不快感を与えていないか」という気配りができるか、そのために何をしているかです。具体的には、
●汗をかいたらすぐに拭いたり、制汗スプレーを常備しておく
●臭いの強いものを食べたら歯を磨く
●口臭予防のタブレットなどを常備する
●ムレないように通気性のいい靴や靴下を選ぶ
といったこと。
「今さら何を」という当たり前のことばかりでしょう。でもその当たり前ができている人が、実はあまりいません。だからこそ世の男性の多くは中年になると「オヤジ臭い」などと揶揄されるのです。また逆に、おしゃれだと勘違いして、頭からかぶったのかと思うくらいにオーデコロンの香りを発散させている人もいます。過ぎたるは猶及ばざるが如しの言葉どおり。
食事の席にきつい香水をつけてくる女性が白眼視されるように、周囲の人をむせ返らせるほどの香りは、はた迷惑な“異臭”でしかありません。