「こだわりが強いタイプ」はYes、but法で感じ良く主張

次に、あなた自身にこだわりや主張があり、「自分はあまり好きじゃない」「自分はむしろ、こんな対象が好き」というのを伝えたいときにはどうしたらいいかを考えてみましょう。

場の空気を壊したくないのであえば、まずは友人の話をひとしきり聞く。そのあとで、自分の主張をするという流れがおすすめ。これをYes、but法といいます。

友人「メンバーの中で誰が好き?」
自分「A子さんは、誰が好きなの?」

と、ひとしきり話を聞いた後で、

自分「いやあ、○○の魅力は、語りつくせないね(笑)。そうそう、私、女性ボーカリストが好きなんだよね。A子さんはどう?」

という流れで主張をするのです。

このYes、but法を使えば、まずは、「友人が好きな対象の話」を受け入れ、その上で「自分の好きな対象の話」をするので、相手にも快く聴いてもらいやすくなります。

コミュニケーションには「返報性の法則」というものがあります。相手にして欲しいことがあれば、自分が先に行う。会話でも、自分が主張したいときこそ、先に相手の話題に乗る。主張したい場面での良好な関係づくりのコツです。

「もしかして、あまり好きじゃない?」と聞かれたら共感で切り返そう

こだわりがあるタイプでは、Yes、but法に加えて、こんなテクニックがあるとさらにスムーズになります。

・「さすがに話題を変えたい」とき

万が一、友人が自己中心的なタイプで、周りの空気を察することなく一人でしゃべり続け、暴走するタイプの場合におすすめなのが、「~と言えば」というフレーズでさりげなく話題を変える方法です。

たとえば、「BTSと言えば、韓国料理の美味しいお店、駅前にオープンしたの、知ってる?」というように連想ゲームのように関連する話題に展開していくのです。

ただし、この場合でも、最低2往復以上は、会話のキャッチボールをして、友人が振ってきた話題にしっかりお付き合いをしてから「~と言えば」と展開するのが会話のマナーです。

・「もしかして、あまり好きじゃないの?」と突っ込まれたとき

勘がいい友人ならあなたの様子を見て、「答えにくそう」と気づき、さりげなく話題を変えてくれるもの。ところが、ストレートな性格の相手だと「もしかして、あまり好きじゃないの?」と聞いてくることもあります。そんな風に突っ込まれた場合、どうしますか。

「いいと思うけど、ここがさあ」とつい言いたくなりますが、“評価”はNG。これでは自分の価値観を押し付けて上から目線になってしまいます。職場でも「いいと思うけど、ここが気に入らないんだよね」とやたらと自分の価値観を押し付けてくる上司に、カチンときたことはありませんか。

友人は、あなたが嫌いな理由を聞きたいのではなく、自分が好きな気持ちに“共感”をしてほしい。いいよね、といって一緒に盛り上がりたいのです。

この例でいけば、BTSをあなたが、好きか、嫌いかではなく、BTSの良さはわからなくても、メンバーの○○を好きなA子さんの心情を理解しようとすればいいと思います。

答え方としては、

「私はともかく、○○に夢中なA子さんの気持ち、わかるよ、伝わってくるよ」

という共感の言葉と、

「A子さんが○○を好きなくらい、私は、▼▼(BTS以外の対象者)が好きなんだよね」

等というようにお互いを尊重する会話のパターンをおすすめします。