口臭の原因はなにか。認知症専門医の長谷川嘉哉さんは「舌の置き場所を確認してほしい。舌のポジションを間違えていると、歯周病菌やむし歯菌が増えやすくなる。それは口臭だけでなく、認知症のリスクを高めることにもなる」という――。

※本稿は、長谷川嘉哉『認知症専門医が教える! 脳の老化を止めたければ 歯を守りなさい!』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

自然くわえるオープン舌
写真=iStock.com/utkamandarinka
※写真はイメージです

歯みがきで出血するのは、歯肉がもろくなったサイン

大人が歯を失う原因の第1位は、むし歯ではなく、歯周病です。

歯を失えば、脳に送られる脳血流が減り、刺激が減って、認知症を引き起こす原因になります。つまり、脳の老化が加速するのです。

長谷川嘉哉『認知症専門医が教える! 脳の老化を止めたければ 歯を守りなさい!』(かんき出版)
長谷川嘉哉『認知症専門医が教える! 脳の老化を止めたければ 歯を守りなさい!』(かんき出版)

それを避けるためには、まずは歯みがきで口の中を清潔にして、歯周病菌を徹底的に減らす必要があります。

歯周病は、歯周病菌の感染によって引き起こされる、口の中の炎症性疾患です。

歯みがきが不十分で、「歯」と「歯肉(歯茎)」の境目の清掃が行き届かない状態でいると、そこに食べカスや歯周病菌を始めとする細菌のかたまりが溜まって、歯肉のふちが炎症を起こして、赤くなったり腫れたり出血したりします。

「歯」と「歯肉」の境目には、通常1~2mm程度の深さの溝があるのですが、歯肉のふちの炎症がひどくなると、この溝がどんどん深くなり、4mm以上の深さになると「歯周ポケット」と呼ばれるようになります。

歯周ポケットが深くなればなるほど、そこに食べカスや細菌のかたまりが溜まりやすくなります。その結果、歯肉の炎症がひどくなります。歯をみがいただけで出血するのは、炎症が悪化して歯肉がもろくなっているからなのです。

やがては歯を支える土台の歯槽骨が溶けて、歯がグラグラと動くようになります。放っておくと、最終的には抜歯をしなければいけなくなるのです。

このように、歯のケアを正しく行わないと、歯周ポケットが深くなり、炎症がどんどんひどくなっていきます。

炎症を引き起こすのが、細菌のかたまりである「プラーク(歯垢)」です。