北海道の中央部にある東川町は、鉄道はおろか国道すら通っていない町だ。だが、約30年にわたって移住者を増やし続けている。きっかけとなったのは、「“写真映りのよい”まちづくり」という独自の施策だった。不動産ライターの中川寛子さんがリポートする――。
大雪山旭岳からミネラル豊富な天然原水が湧き出る。それを利用した水田で育つ米のうまさには定評がある。
@Tamotsu Matsui
大雪山旭岳からミネラル豊富な天然原水が湧き出る。それを利用した水田で育つ米のうまさには定評がある。

27年間で20%以上人口が増えた北海道東川町

全国の自治体で人口が減少している中で、独自の施策で人口を増やしてきた自治体がある。その代表ともいえるのが北海道にある東川町だ。

北海道の中央部、旭川市の隣にある小さな町である。主な産業は農業や家具の製作。豪奢なリゾートホテルどころか、鉄道や国道、上水道すらない。