「東日本大震災以来の、とんでもないことが起きている」。2020年1月、横浜を出港した豪華客船、ダイヤモンド・プリンセス号は、未知のウイルスである新型コロナウイルス感染症の船内感染に直面。夢の航海は一転して豪華客船ごと全員隔離の前代未聞の事態に。次々感染が広がり倒れる乗客。苦闘する船員、災害派遣医療チーム(DMAT)。混乱を極める政府・行政の対応。そのとき船内で、本当は何が起きていたのか。重厚な取材にもとづく臨場感あふれる筆致で「真実」を描き切ったノンフィクション『命のクルーズ』から特別公開する──。(第1回/全2回)
※本稿は、高梨ゆき子『命のクルーズ』(講談社)の一部を再編集したものです。
2月19日水曜日、上陸許可証が届いた
午前中、PCR検査で陰性が確認された乗客の第一陣が下船を始めた。2020年2月5日から14日間にわたった検疫期間を終え、計443人が久しぶりに陸地を踏んだ。続く20日には274人、21日は253人が解放されることになる。
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