組織の評価基準を見極める

一方、真面目に働きながら成果もしっかり出しているのに、適切な評価を受けていないケースもあります。

その場合は、「真面目」「実際に出した成果」とは別の強い評価基準がその組織に存在している可能性があります。その組織で重用されている派閥や縁故などの人脈、性別だったりするかもしれません。

いずれにしても、その非合理性から雇用者の不満の種となりやすい要素です。

こうした事態を避けるために私たち個人にできることは、その企業がどういった評価規準で人事を行っているのかを見極め、納得のできる勤務先を選ぶことです。

公平な評価をしている企業を選ぶポイントは、評価に「客観性」と「外部評価」があるかどうかです。

数字の評価は公平

たとえば、客観性のある評価として分かりやすいのが、数字を基準にしているケースです。「営業成績」「研究論文の数とその論文がリファレンスされた数」などといった明確な指標があると、公平な評価がされやすいといえます。

特に、売り上げた数字に対する評価は、社内だけではなく、社外のクライアントの反応がそのまま指標になります。社内の派閥の影響を受けることも、男性か女性かといった性別も関係ありません。クライアントが気にするのは、自分が払ったお金に対するパフォーマンスが高いかどうかだけです。

対して、総務や人事、経理などのバックオフィスで仕事をすると、こうした外部評価を得られず、透明性のある公平な評価を受けにくくなることがありえます。

よくあるのが、評価を下す立場の人の「評価バイアス」がかかってしまうケースです。「背が高い」「美人もしくは美男」「評価者と同じ地方もしくは大学の出身」といった、仕事の成果とは関係のない要素で評価が左右されてしまうのです。

やはり容姿のよい男女はトクをする…

実際、成蹊大学社会調査研究所が行った研究によると、容姿のよい男女は出世しやすく、所得も平均より高くなることが分かっています。

また、上司からの飲みの誘いを断らないとか、サービス残業もいとわない……といったことも、よくある評価バイアスでしょう。

こうした評価のゆがみを避けるため、私は「活躍したい」という女性たちにはバックオフィスの勤務はお勧めしません。女性は競争を嫌う性質を持つ方が多いので、バックオフィスの勤務を好むのですが、社内評価が「女性だから」と低くされる企業の場合はかえって割をくってしまうことがあるからです。

女性の場合、実は、外部評価を受けながら競争にさらされる職種のほうが、公正な評価を受けて出世しやすくなります