※本稿は、鳩山玲人『シリコンバレーで結果を出す人は何を勉強しているのか』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。
勉強したいなら、まず転職する
30代以降の読者の方には、「スタディ」だけでなく「エクスペリエンス」と「ラーニング」を意識していただくことが大切ではないかと思っています。
そして、効果的に「エクスペリエンス」と「ラーニング」を行うための方法として、私がみなさんにおすすめしたいのが「転職」です。
特に「今後進みたい道が見えない」「今の仕事がルーティンになってしまっている」「勉強するといっても何から手をつけるべきかわからない」といったように停滞を感じている方は、転職を真剣に検討したほうがよいでしょう。
転職とは、見方を変えれば「新しい環境に入ること」です。つまり、転職すること自体が新たなエクスペリエンスであり、ラーニングとなるわけです。
新しい環境で新たに出会う人たちと関わりながら、さまざまな刺激を受ければ、それだけで経験値が1段階、2段階と引き上げられていきます。
私は転職こそ最高のラーニングの機会であると思っており、個人的にキャリアの相談を受けたときなどにも積極的に転職をすすめるようにしています。
多くの日本人がいまだに転職に抵抗を感じがちであることは「とてももったいない」と思いますし、同じ会社で長く働くことでだんだん刺激を得る機会が減り、成長スピードが鈍化していっている人も多いのではないかという危機感も覚えています。
特に30~40代の方は、多くの企業でかつてのような終身雇用が維持できなくなり、早期退職を迫られるケースもめずらしくない状況において、一つの会社でだけキャリアを積むことにはリスクがある点にも目を向けるべきでしょう。
日本では、転職を考えることがあっても「まずは勉強して、最新の知識を得てから転職しよう」などと考える人も多いように思います。「転職したとして、そこでの仕事に自分が対応できなかったらどうしよう」という不安が、そのように考えさせるのかもしれません。
しかし、勉強して知識をつけてから動くより、転職して新しい環境に入り、新卒入社のときにOJTで経験したような半ば強制的な「エクスペリエンス」「ラーニング」の機会を作るほうが、学びは速く、深くなるでしょう。
もちろん、転職して「失敗だった」となる可能性は常にあります。しかし、失敗してもその経験は残ります。
もし転職して「失敗した」と思ったら、奮起してまた次の環境に身を投じればいいのです。