会議の日程調整もそう。アジェンダに「次回の確認」を入れておけば、“今ここ”で調整ができます。万一、手帳を持っていない、なんて人がいたとして、多少は強引にいきましょう。「あやふやでも結構ですので、“ダメなとき”を教えてもらっていいですか?」と。

仮でもいいので、“今ここ”で決めることにこだわりましょう。商談だってそう。“今ここ”で見積書を準備しておけば、その後の送る作業はなくなります。

私は、20代のときに、ラッキーにも、この「今ここ」の勇気を獲得しました。

もともとは面倒くさがりで、社会人になりたてのころは、いろいろなことを先延ばしすることが常態化していたのですが、「今ここ」の執念を習得したことで、タスクを減らせる感覚をつかめました。

「時間敗者」にならないための、防御策として、確実に有効です。

投資時間の確保を必要とする20代には、「今ここ」で済ませる執念は、不可欠な考え方ではないか、と考えています。

ポイント:「また改めて」から「今ここ」で、すべてを済ませる

ありえない速さで「結果を出す人」の要領のよさ

短時間で、圧倒的な成果を出す人が、必ずやっている発想を紹介しましょう。それが、常に「ワンソース・マルチユース」を狙う、です。

1つの素材(ワンソース=one source)から、複数の用途(マルチユース=multi use)を考えることを言います。ベタに言うと、「使い回し」です。

「イモトのWiFi」という、海外旅行向けのレンタルWi-Fiの会社をご存じですか。加えて、PCR検査で一躍、有名になった「にしたんクリニック」をご存じですか。実は、同じ会社だと知っていました? コロナ禍の際、Wi-Fiレンタル事業が壊滅的なダメージを受けたことで、社長がスグにPCR事業に乗り出せないか、と考えたそうです。

にしたんクリニックの広告
写真提供=にしたんクリニック

このとき、社長が狙ったのも、「ワンソース・マルチユース」。レンタルWi-Fi事業で使っている、配達網、コールセンターを使い回せば、時間と資金をかけずとも、スグにできると考えたそうです。

実際、数カ月で事業を立ち上げ、たった1年で、コロナ禍前のWi-Fi事業の売上を追い抜くほどに激成長したのですから、驚くほかはありません。

これが、20代にやるべきことと、何の関係があるのか、と思われたかもしれません。しかし、考えてみてください。そう簡単に、この発想は、急に身につくものではありません。

普段から「これって、あれにも使えないかな」と、常に考えることこそが、驚くほどの短時間で成果を出せる人が、無意識にやっている習慣なので、今からやっておいたほうがいいのです。