人の意見に振り回されない

特に、自分よりビジネス経験値が高い人の言葉には影響を受けやすいようです。まったく根拠がない情報や意見も、素直に受け取ってしまう傾向が見られます。「そんな見方もあるよね」と受け流せず、事実の検証もせず、選択肢から排除してしまうのです。とてももったいないことです。

転職活動のプロセスで誰かに相談することは、思考を整理する上では有効です。しかし、ネガティブな情報や意見に振り回されないようにしましょう。

そもそも理想が100%かなう場所はありません。理想的な環境は、置かれた場所で自分の努力によって作っていくものでもあります。大事なのは、自身のWILLにマッチするかどうか。軸をぶらさずに判断しましょう。

④ 「キャリアの価値」に無頓着。不当な報酬額でも受け入れてしまう

やりたい仕事、やりがいある仕事を選ぶことはもちろん大切。しかし、それをかなえるだけで満足し、「報酬」に無頓着な女性が少なくありません。

世間の相場を知る転職エージェントから見て、「これだけの経験を持つ人材が、この年収では低すぎる」と思うような金額を提示されても、素直に受け入れてしまう。希望年収を聞かれ、「いくらでもいいです」と言ってしまう人もいます。

私がお伝えしたいのは「もらうべき報酬額を主張しなさい」ということではありません。「キャリアの価値」に対して、もっと意識を持っていただきたいのです。

年収額とは、その人の経験・能力の価値を表すものです。その意味を理解することで、中長期視点でキャリアを築き、人材としての価値を高めていけると思います。

転職活動の際には、1社だけ見て決めず、複数社を比較しながら検討することをお勧めします。各社からどの程度の年収額でオファーが出るのかを確認することで、自身のキャリアの価値をつかめるでしょう。

もちろん、転職エージェントから適正年収を聞くのも有効です。

コロナ禍が一段落し、新型コロナとの共生モードに入った今、多くの企業で「攻めの戦略」が動き出しています。DX(デジタルトランスフォーメーション)含め、変革も起こっています。こんな時期には、転職によって新たなキャリアを築くチャンスを得られやすいので、ネガティブな「あるある」にはまらないよう、チャレンジしてください。

(構成=青木典子)
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