質問で突っ込まれて不採用に
そして、時には思いがけないダメージを受けてしまうこともあります。例えば、転職エージェントに相談したとします。求職者の志向や価値観を大切にして、中長期視点でキャリアを考えてくれるコンサルタントにあたればラッキーですが、そうでない場合、単に経験・スキルがマッチする企業を紹介されます。
勧められるがままに応募すると、経験・スキルはあるので、スムーズに内定に至ることもありますが、中には面接で、「あなたは何を大切に働くのか」「この先どう成長したいのか」と、深く掘り下げた質問をされることがあります。そこで答えられないと不採用になります。すると、「自分は評価されなかった」と自信を失い、仕事やキャリアにポジティブに向き合えなくなってしまうこともあるのです。
だからこそ、WILLの軸が大切です。「何となく迷っている、悩んでいる」ならば、まずは何に迷っているのか、何に悩んでいるのかを言語化・可視化しましょう。迷いや悩みの原因がはっきりすれば、それに対して「これからどうしたい」が明確になります。そうすれば、方向性がはっきりするので、主体的な活動・決断ができるようになるはずです。
悩みを可視化していく作業は、一人で行うと迷路にはまりがちですので、「壁打ち相手」になってくれる人を見つけることをお勧めします。信頼できる友人・知人のほか、より客観的視点で一緒に考えてくれるキャリアカウンセラー、キャリアコーチなどに相談してみるのもいいでしょう。
③ いろいろな人に相談、ネガティブな意見をもらって大混乱
女性の転職活動で多く見られる行動の一つが、「誰かに相談する」です。先ほどの事例でも触れたように、環境の変化や未経験の業務に対して恐怖心を抱きやすく、「安心したい」「大丈夫だと言ってほしい」といった心理から、複数の第三者に相談することが多いようです。
相談することで安心したり、良い発見ができたりすればいいのですが、逆効果になるケースも多々あります。前向きに転職を考え、背中を押してもらいたくて相談したのに、「その業界って○○だよ」「その会社、△△って噂を聞くよ」などとネガティブな情報を吹き込まれ、一気に不安に傾いてしまうのです。
こうしたことは、「退職交渉」の場でも起こります。上司は部下に辞められると困りますから、引き留めるために「○○社? あそこの社長、いい評判を聞かないよ」なんて言われることも。ですから、退職交渉の際は、転職先の社名を聞かれても言わないのが鉄則です。
家族との相談も同様です。「ベンチャー企業なんてすごく忙しいだろう。育児と両立は難しいよ」と夫から言われて、あっさりあきらめたりする人もいます(実際は、ベンチャーの方がリモートワークなどの融通が利くことも多いのですが……)。