食物繊維をしっかりとること、1日2リットルの水を飲むこと

働く世代の便秘の原因は、1.飲食生活、2.運動、3.心理的要素に起因することが多いです。

私の経験上、働く人の便秘の原因で多いのは、やはりしっかりとした食生活を送っていないことです。不規則な食生活、過度なダイエット、偏った食事などで、全体としての食事のボリューム、特に食物繊維が足りない人は、出すものが少ないために、便秘になってしまいます。一方、排便のことをよく考えた結果、食物繊維をかなりしっかり摂取している人でも、水分を十分にとれていないために満足な排便ができていない方もいらっしゃいます。

食べるものを食べなければ、出すものも出ない。基本的ですが、とても大切なことです。食物繊維を含む食べ物もしっかり食べることと、1日2リットル以上の水を飲むことを便秘対策の基本として私はおすすめしています。特に、これから暑くなり汗もかくようになりますので、こまめに多めにとるようにしてください。

ペットボトルに入った水に手を伸ばす女性
写真=iStock.com/JohnnyGreig
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特別な運動はいらない、毎日しっかり歩けばいい

働く人の便秘の原因として次に挙げられるのは、運動不足です。

コロナ禍で運動不足の人が増えましたが、適度な運動は、腸管を刺激しその働きを活発にします。ストレッチやマッサージは、リラックス効果により自律神経が整います。そして、快適な排便につながります。

しかし、在宅勤務で1日中ほとんど椅子に座ったままでは、消化管は十分に動きません。コロナ禍で通勤もしなくなってしまった運動不足な人に、便秘が増えてきた印象です。

便秘対策として腸を動かすには、特別な運動はありません。何をしたらいいかわからない人は、ぜひ毎日しっかり歩いてみてください。

歩くことにより、身体が上下に揺られることや地面から伝わる振動は、消化管の動きを整えてくれます。病院で開腹手術した人は、50年前はしばらくベッド上での安静を推奨されていました。現在は、翌日から痛み止めを使用して痛みをとって歩くことが推奨されています。歩くことで我々のお腹は刺激され、腸管が動くのです。そして排便が促されるのです。

便秘対策として、歩くこと。ぜひ、覚えておいてください。