※本稿は、荻原博子『知らないとヤバい老後のお金戦略50』(祥伝社)の一部を再編集したものです。
起業で成功したいなら絶対にやめたほうがいいこと
もう他人に使われるのは嫌だと、「転職」ではなく「起業」する人もいます。起業で成功しようと思ったら、守らなくてはいけないことがあります。
それは、起業する時に、自分のお金を使わないこと。
起業には、それなりの資金が必要となるケースが多いので、今までの貯金を取り崩したり、会社を辞めた時にもらった退職金を使おうとする人が多いです。中には、親からお金を借りたり、妻のへそくりを使わせてもらうという人もいます。
けれど、起業で成功したいと思ったら、それはやめたほうがいい。
なぜなら、自分のお金や身内のお金だと、管理が甘くなり、失敗しやすく、引き返せなくなったら大きな禍根を残すことになりかねないからです。
大切なのは、起業するなら自分のお金や身内のお金を使うのではなく、金融機関からお金を借りるということです。
融資の相談なら「日本政策金融公庫」を検討
なぜ、身内のお金ではなく金融機関からお金を借りなくてはいけないかといえば、身内は、内容がよくわからなくても情でお金を貸してくれますが、金融機関は、成功する見込みがない事業には、お金を貸しません。
裏を返せば、金融機関がお金を貸してくれるような事業なら、成功する確率も高いということです。
ただ、いきなり銀行に「事業計画書」を持って行って融資してほしいと言っても、充分な担保があれば別ですが、十中八九は、断られます。出した事業計画書は、「社内で検討します」と預かってはくれるでしょうが、放置されるのがオチ。
ですから、相談するなら、地域での創業支援の融資を積極的に行なっている政府系の金融機関の「日本政策金融公庫」や地域の信用金庫などに行きましょう。
日本政策金融公庫には「創業支援」のメニューがあり、相談にも対応しています。
ただ、「創業支援メニュー」があるからといって、事業計画書を持っていけばお金を貸してもらえると思ったら大間違い。最初は、99.99%は借りられないと思ったほうがいいでしょう。
そこで、もし「この事業計画では難しい」と言われたら、そこからが大切です。
何がダメでこの事業計画書が通らないのかを、しっかりと聞きましょう。相手は起業のプロですから、どこに問題点があるのかを見抜いているはずです。
それを指摘してもらったら、重点的に改善し、事業計画書を書き直して再び持参しましょう。そこで、さらなる問題点が指摘されたら、また見直して持っていく。
そうやって計画の見直しを何度も繰り返していけば、自分の中でも成功のビジョンが固まるし、事業の欠点も改善されますから、成功率は上がっていくはずです。